2010-01-01から1年間の記事一覧
ヴラジーミル いずれにしろ、確かなことは、こうした状態では、時間のたつのがまことに長く、したがって、われわれは暇をつぶすのに、なんといったらいいか、一見合理的に見えるがすでに習慣となっている挙動を行わざるをえない。それは、われわれの理性が沈…
痛くても苦しくても絶対に顔に出すな。無表情で倒れろ。10年前と変わらぬ訓戒に笑みをこらえる。またここに来てしまった。
・・・今、僕は君に対して何とも言うべき言葉がない。何故なら、どう考えてみても、僕には、君の苦しみを解決する方法を死以外には見出せないからだ。僕は、唯一の友、君に向かって、「死ね」という以外にない。これは何という悲しい言葉だろう。けれど、君…
私達は様々な事情のために生活が苦しくなってどうにもならなくなる場合があります。・・・その状況や程度に応じて最低限度の生活を保証しながら、一日も早く自分達の力で生活できるように援助するのが生活保護の制度です。(某市福祉事務所「生活保護制度と…
濁流の中で垣間見た陽光。それは常に降り注がれていた。枯れた鉢に極小の青い花が一輪。そのささやかな唐突さに目をまわす。泥の中ではまばたきひとつが大事件だ。
・・・わたしたちは、自分が必要としないものは、一物たりとも受けとってはなりません。(ガンディー『獄中からの手紙』森本達雄訳より)
今日はパンが食える みんな指折り かぞえてこの日をまっていた うれしい日だ (花輪和一『刑務所の中』より)
「ヨブといえども理由なしに神を畏れたりするものですか・・・」(旧訳聖書『ヨブ記』関根正雄訳より)
時々鬼婆の扮装をする友人はその理由を問われ、せずにはいられないからだと答えていた。要請や価値評価への抵抗も超えたやむにやまれぬ行為。長らくの言動により抱腹絶倒という冠が流血の頭に、さらに最短の詩語を教え授かる。狂騒の頂にそっと待つ、侵され…
フリーダは生前の希望通り火葬にふされた。炉から出てきた時、遺骨は少しの間、その骨格をとどめていたという。これを見たディエゴは、上着のポケットから小さなスケッチブックを取り出し、無言でフリーダの銀色の骨格を写しとった。終えると彼はフリーダの…
・・・しかし世の中には、まさに危険の神秘的な魅力にひかれる天性の人たちがいる。不可能なことを敢行した場合にはじめて、おのれの力の充実を感じ、向う見ずな冒険が唯一のふさわしい生存形式だといった、人生の一か八かのばくちうちがあるものである。太…
・・・それからごく真剣にこう言った、――「仕事をしなくてはいけない、仕事だけは、しなくてはね。辛抱づよくしなければね」と。何かをつくろうなどと考えたりしてはいけない。自分自身の表現法を強化して、すべてを言おうとだけ努めなくてはならない。仕事…
口に入れると森の音がする透明な立方体をいただく。
それからまた・・・彼女にとっては生きながらの地獄の生活がつづいた。彼女は逃げたいという気は寸時もやまなかったけれど逃げ出せる望みはまったくなかった。・・・彼女はただなにもかも「神罰」とあきらめるほかしかたがなかった。 (中勘助「犬」より)
・・・それらが一体芸術であるのか・・・私にはわからない。・・・この場合、過去の私の絵画についての経験は、それがどんなものであれ、役に立つと同様に、邪魔になりそうに思われる。私は、・・・その美的価値を云々しなければならない。ところが、私がか…
大切な人々はたとえどこかに行ってしまっても、いつも私たちの人生のすぐ近くに、透明な沈黙として留まっているのだから。(フィリップ・クローデル「月のピエロ」 高橋啓訳より) 小さな刷毛にて塗られし塔。風吹き抜ける高所の作業人をココア片手に眺め鳩…
・・・人間は誰も、理性で統御された「正常」な仮面の下に、多かれ少なかれ狂気を秘めた存在である。日常性が打ち破られ、危機的状況におかれた時、それまで自己を制御し保護していた理性や正常な意識が麻痺し、人間は狂気にさらされる。その緊張状態がある…
お待たせしました 心の準備はいいか? あなたの内蔵を揺さぶるこの男! 膀胱が破裂するかも ひざもガクガクだ ついに登場! ソウルのゴッドファーザー ソウル・ブラザー No.1! ジェームス・ブラウン! (ジェフリー・レヴィ=ヒント監督「SOULPOWER」より)
・・・ブロンデルに関連してーー le psychologique pur [純粋心理]・・・の混沌の中から何か形のあるものを作り出すこと、それが要するに精神生活の意義である。 Concepts collectifs [共同観念]をはみ出すものが多ければ多いほどーーというより、そうしたも…
・・・僕は嘘が嫌いだ、大嫌いだ、思っても堪らない。なにも僕が他の人間より正直な人間だというわけではない、ただ僕は嘘が怖いのだ。・・・まるで腐ったものでも噛んだような、胸苦しい不快を感じるのだ。気質なのだろう、きっと。・・・ ・・・僕らにとっ…
始まりました。 場所 埼玉県立近代美術館 一般展示室1 入場無料 (JR京浜東北線北浦和駅から徒歩5分ほど) 日時 〜8月1日(日) 10時〜17時半 出品作家(32人) 安藝逸郎/秋満亘/池田傑/一美里/稲垣真幸/上田和彦/片岡雪子/上開地真雪/…
「・・・必要ほど、ぼくの邪魔になるものはありません。ぼくはぼくの役に立つことのできないものしか求めたことはないのです。」「パラドックスだ、そりゃ。君はそれが滋養になるとでも思っているのですかね。」「それは胃によって違います。あなたの胃が受…
僕が言ってやる でっかい声で言ってやる ガンバレって言ってやる 聞こえるかい ガンバレ!(THE BLUE HEARTS「人にやさしく」より)
・・・自己の責務のいよいよ重大なるを思い、従来の方針の徹底を期するため、すでに十数年以前より志して来た計画を慎重審議この際断然実行することにした。・・・種類のいかんを問わず、いやしくも万人の必読すべき真に古典的価値ある書をきわめて簡易なる…
・・・禅はその活動のあらゆる場において、無意味性という現象を重視する。・・・有名な禅者たちの特徴ある行動は、常識的観点から見る限り、すべて、ほとんど例外なしに、無意味である。・・・問答形式では禅独特の無意味性が更に一段とむき出しになる。・…
「なにもかも、おそかれはやかれ、すっかり露見してしまうものだよ、・・・僕は、僕でなく誰か他の人の口から、お前にそれを知られたくない――また僕が死んだ後になって、お前にそれを知られたくもない。僕は今、お前に話そう。・・・」(ジョージ・エリオッ…