2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

音頭

みんなでしらすを頬張りながら、コロンビア独立記念祭やfufuや西葛西について。それからみかん色のaさんと印度北部出身のRさんの引率で、芋洗い状態のCAFEへ。123〜567〜とくるくるまわる。

共通点

踏み出した足への重心移動に、軸足を支点とした回転。肩と腰の開閉と、ぶれない中心。適度な間合いで相手の動きを受け流し引き出す、柔らかな左右対称の動きは無駄がなく変幻自在。ふたり一組手に手を取って老幼男女みな笑う。

塗師

磨く人あり。後藤塗の最中であった。蒟醤(きんま)・存清(ぞんせい)・彫漆(ちょうしつ)・象谷塗(ぞうこくぬり)、希少な松の皮と黒柿、そしてアルミニウムや継承者について。おそるおそる平皿を覗きその深さにため息。

検診

肺が長いと再度浴び 俟つは百軒火の輪をくぐる。熱さ余ってそろそろサルサ 珈琲水出し漏電凌ぐ。

もう十分

何もいらない。「しかし逃れようのない続きがある」 契約書に署名するたびに雪の日に生まれたことを思い出す。当時私は仏頂面をしていた。「生きるとは生かされるということに過ぎない」 ここはどこ 私は誰 と問わないこと。

課題

一、いかなる根拠で価値の根本類が、併せて価値領域が区分けされるのか。 二、価値の形相的構造はどうなのか、そして価値を「所持している」ものとの(価値の「担い手」との)価値の関係はどうなのか。 三、およそ価値が存在するとして、価値はどんな様式で…

慣例的手順

式場にて。二つの時計の秒針を、首を傾げて見つめ続ける紳士。居並ぶ多数の充足理由律がじっと待つ。不鮮明で柔らかな声が開始を告げ、ピヨピヨとそれに倣う。風が吹きぬけ白い紙が舞う。紙が着地する頃、升目が埋まる。

悪さ加減

具体的な比較によって微妙な差を見分けるべし。諦観、無関心、逃避、という批判ではなく、悪と知りながらなお選択する積極的批判をしませう、とのお達し。暮れない空を眺めながら天地投げ呼吸投げ回転投げ入身投げ四方投げ。

34兆円

2兆円減った。法則に原則に規則に規範に法令に倫理を、白地に黒で刻む。生存するには唯従順であれというパラドクスと共に。突如背後から背中と肩と頭を突く幼子の手。的確に急所を射抜かれる。宿題やった?あ、忘れた。

蝸牛

全力疾走の蝸牛にもれなく宿る喜びと移動。萎縮した脳を労わる小麦粉と蜂蜜。撮影を再開したという連絡あり。かつての七転八倒と後の猛烈な地固めを知るだけに末恐ろし。懲りずに何度も激を飛ばしてくれたことに感謝。

安心法

「浮世を軽く認めて人間万事を一場の戯と見做し其戯を本気に勤めて怠らず啻に怠らざるのみか真実熱心の極に達しながら扨万一の時に臨んでは本来唯是れ浮世の戯なりと悟り熱心忽ち冷却して方向を一転し更に第二の戯を戯る可し。之を人生大自在の安心法と称す…

社歌

毎朝やけにキーが高い。職員作詞の社歌は生きてることがまぶしくて仕方がないという内容。異議なし。組合管掌健康保険加入の突拍子のなさに頭を垂れる。こそぎ落ちた錆びが散る。目から星を出しながら前転後転二教三教。

生存

他ならぬ「その人」が目の前にいて、穏やかに話している。不思議なことがあるものだと、くつろぎながら驚く。その数時間後、「あの人」から生存の報せが届く。生きていてくれてありがとう。何としても生き抜いてください。

雨天はるばる届けられた鍋。その中のじっくり煮込まれたシチューは、歓声後瞬く間にみんなの細胞となった。男性だらけの場所にいた過去と帳尻を合わせるように、行く先々で女性に囲まれている。会う人悉く強く賢く面白い。

心音

いたるところにいるのにやみくもに探していた愚者の右耳に再び届いた心音。素心如雪と記しテキーラでつぶれた書道家。車座で掲げる杯に身ひとつで世界を回る長が注ぐ。纏う衣にちりばめられたバングラディシュの刺繍。

宮本氏

前を見据えまっすぐ歩いてくる宮本氏とすれ違う。魂の塊。天真爛漫な闇。獰猛な陽だまり。昨年同様一瞬で斬られ、見送り、安堵する。私もまた黒尽くめだ。

文化

学ランの方々が直立不動で待つ車に乗り込む。彼らは自身を「自分」と称する。「トテモオイシイデスネ」と北欧からいらした方が悲しそうな顔で言う。東欧からいらした方はにこにこと「黙れクソ爺」と挨拶してまわる。誰も止め(られ)ない。

書類

書類の澄みきった空欄を煤煙で埋めるうちに、地と足が近付き始める。3階に入ると正面の壁に爆音のTheJesusandMaryChainが静かにある。何度も頷き、まもられた紙やすりを入手する。さいごに息を大きく吸いました、とその人が言う。足踏みをする。強く頷く。