頭皮

冬眠中のツキノワグマを見に行く少し前、根こそぎにしていくチェーンソウの音をとても柔らかな頭皮で知らせてくれた。小さな小さなカップで何杯もいただいたコーヒーは毎日違う味で、電球を消し忘れては笑っていた。去年の唐突な伝言が今になって耳に届く。「つねに欠落の またとない途方にかられていくが どうなるのでもない われわれはすでに充分だ」