2009-01-01から1年間の記事一覧

助言

“Well, after all, we can only let our paintings speak." (Dr.J.Hulsker「WHO WAS VINCENT VAN GOGH」より)

大分

診察

付き添われ病院へ。「異常なし。薬もいりません。問題をどうすべきかはあなた自身がご存知だ。こちらが助言する余地はありません。むしろお連れの方のほうが診察なり相談が必要です」幼少時からの耐性により絶望にも狂気にも陥れず。事実を事実のまま飲み込…

無傷

深夜の警察署。居合わせた女性と少し話す。「この辺りは穏やかでとてもいいところですね」「私は穏やかな環境は少しだけでいいわ。たくさんの刺激が常に溢れていないと、感覚が薄れていくようで。歳を重ねて生の終わりが間近に見えてくると特に、走り続けて…

受信

淀橋教会小原記念チャペルでトリオ演奏会(二十絃箏・吉村七重/リコーダー・鈴木俊哉/チェロ・多井智紀/企画・木下正道)。東京国立博物館で「皇室の名宝」2期(正倉院宝物と書・絵巻の名品)。東京都現代美術館でレベッカ・ホルン展、岡崎乾二郎展。駒場東大でブランショ・シンポシ…

お詫び

1.携帯電話の破損。2.視力が低下し、本やPC画面の文字がほとんど判読できない。以上の理由からいただいたご連絡の確認が滞っております。申し訳ありません。

強烈

サントリーホールブルーローズで「篠崎史子ハープの個展XI」(ハープ:篠崎史子/エレクトロニクス:有馬純寿)。ハープ+エレクトロニクスの作品を集めた企画で、曲目は、武満徹、坪能克裕、三輪眞弘、岸野末利加、平石博一、一柳慧。平石博一氏による「フォティーノ ハープ、コンピュータとマルチチャンネル…

呼吸

吉田文憲氏の自作の朗読を聞き、お話(呼吸と記憶と粒子と誤解と点線と白い紙といるけれどいないことについてその他たくさんのこと)をうかがう。

基地

最近ようやく水道が通ったというお話を、ある作家さんからうかがう。それまではポリタンクで運んでいたそうだ。

御礼

ありがとうございました。

宮澤賢治「眼にて云ふ」

だめでせう とまりませんな がぶがぶ湧いてゐるですからな ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから そこらは青くしんしんとして どうも間もなく死にさうです けれどもなんといゝ風でせう もう清明が近いので あんなに青ぞらからもりあがって湧くやう…

展示のお知らせ

2009年10月23日(金)〜10月27日(火)GALLERY it's 〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町2-7シャトーソフィア(竹久ビル)6F 東横線代官山駅から徒歩8分/渋谷駅から徒歩10分 tel/fax 03-3461-7887 1:00PM〜8:00PM http://www.gallery-its.com/ よろしくお願いいたします。

100年過ぎたらきっと浮かび上がるだろう/100ミリだけのカラッポを離さないでおくれ/今 ぼんやりある空を/メチャクチャにぬりかえて/今よりも ずっときれいな/七色の光で (フィッシュマンズ「100ミリちょっとの」より)

片足

片足が動かず、もがけど前に進めない鳥。手を差し出すと背を向け、後ろ歩きで手のひらにのっかった。 「恐縮ですが、お願いがございます。わたしの頭はいかなる印象もいかなる考えももはや受けつけないのです。なにもわからず、なにも感じず、なにも理解でき…

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孵ってひと月。学名[padda oryzivora]、英名[Java sparrow]、燕雀目キンパラ科。白色は突然変異。たいていは二羽でくっついてじっとしている。唐突にけたたましく鳴き出す。首を伸ばし顔を上方に向けて嘴を開けたまま、すごい剣幕で待っている。餌をやると静ま…

東京大学総合研究博物館「鉄 137億年の宇宙誌」展で、鉄系超伝道物質、超高真空溶解炉で溶製された超高純度鉄、世界各地の鉄鉱石標本、縞状鉄鉱鉱床のボーリングコア、鉄隕石Gibeonのウィドマンステッテン組織、パラサイト隕石の断面、等々々。町田市立国際版画美術館で、ナポレオ…

一息

ゲオルギ-・シェンゲラ-ヤ監督「ピロスマニ」。それから、打ち上げ花火が聞こえる大林で冷奴と青リンゴソーダ。地下で15分毎に15分間回転するタイヤチューブを見守る。霧の中には7つのS字カーブがあった。湖への恐怖心を薄める、唐突な仮装。猪が出没する茶屋の甘酒で一息。

方法

天井までの棚に本が納まり、タオルにくるまれた諸々が某所から届く。アスファルトを引きずられた傷だらけのテーブルの上には、いくら食べても減らないロシアのパンと、30年前に撮影されたプリント。20本中5本が植えられたヘチャチャ-リの苗木。15年で実がなる。 「ものごとをただ受け…

夜空

「変な夢を見ました。夜空には月も星も出てなくて私のまわりはごみだらけなの」(塩田明彦監督・清野弥生脚本「害虫」より) 快晴の空に飛行船。木の下に置かれた花束。のまなきゃやってらんねえと口に出してみたがしっくりこない。知らない道を突進する癖が…

未聞

「・・・勇気のある男性が自分の勇気を誇ったり、謙遜な女性がその謙遜さを自慢したり、あるいは本当に忠誠心を持つ者が二心のなさを誇示することなど、聞いたことがない・・・」(チャールズ・サンダース・パース著「連続性の哲学」伊藤邦武編訳より)

消耗

石を投げる人の投げた石にぶつかり罵られる。抵抗を試み無駄に消耗。服従か復讐か問われるがどちらも興味なし。足元では鳴けない犬が尻尾を振り続けている。家具も家電もない部屋が恋しい。帰ったら棚をつくろう。 「どんな意見を吐けば、人を喜ばせたり、悲…

栄養

世田谷美術館のメキシコ20世紀絵画展でラモン・カノ・マニリャに見入った翌朝、カフェで乳化剤・酢酸Na・イーストフード・pH調整剤・香料・増粘多糖類・グリシン・カロテノイド色素・臭素酸カリウム等を摂取し、気合いを入れて国立民族博物館へ。 「だから私は、どこそこの誰々が哲学者を以て任…

幼少時から刷り込まれている句「気をつけよう甘い言葉と暗い道」。みとれた黄色のはかない花はににんそうという毒草であった。たどりついた誰かの庭でくずれかけたブランコを漕ぐ。 「凍りそうに冷たい地下室で、蹴飛ばされた犬みたいに震えている。ぼくは、…

ビリー

クチナシの花の香が広がり、すぐそばのどこかからビリー・ホリディが聴こえてくる。Blood on the leaves and blood at the root… Hey,brother, Kill me! swing brother, swing!… Tell me more and more anthem song… 泣けてくるほど酸っぱい果物を生地に入れて焼いた…

ジョニー

「コンセプトという言葉はテンプレート・メタプログラミングという領域に移植されているので、もうすぐコンピュータ学者にしか使えなくなるよ。いまさら文科系の制度などに固執する負け犬には言葉もない。ところで君たちには美術史に群がるムシケラという自覚はあるの?」と問われる…

飼育

「ぼくは奇妙な動物を飼っている。半分猫で半分羊だ。・・・以前は猫であるよりはるかに羊だった。・・・ぼくはこれをミルクで育てている」 (ホルヘ・ルイス・ボルヘス マルガリータ・ゲレオ「幻獣辞典」柳瀬尚紀訳より) 某日。Ongoingで有賀慎吾・長谷川翔展「接続解除」。ゲ…

甘い香り

「私はいかなる希望ももっていなかった。しかし、私の内部ではなおもひとつの期待が生きつづけていた。・・・私は一体、性懲りもなく、どのような事件を、どのような嘲笑を、どのような苦悩を期待しているのだろうか。それは私にもよくわからない」(スタニ…

恋愛

「静かだな海の底静かだな何もない」(ジャックス「からっぽの世界」より)