2008-11-12 山椒魚 「先生、どうして、『山椒魚』に筆を入れるなんてことなすったんですか?」 「あれはねぇ、もし許されることなら全部書き直したいんですよ」 「どうしてですか?」 「だって、あれじゃ出られないもの。あれじゃ、どうしようもないもの」 「あれは出られないから『山椒魚』だと思ってました」 「そうかねぇ、あれは出られないから『山椒魚』なのかねぇ。あれは出られなくていいのかねぇ」 「いいかどうか分かりませんけど、出られない山椒魚が『山椒魚』なんじゃないでしょうか」 「そうだねぇ、あれは出られなくてもいいのかも知れんねぇ」 (さだまさし「噺歌集V」より)