大きな机が階段を降りてゆく。大根を持って踊る人々とすれ違う。かつての色を問われ、部屋も服も七色で髪の毛は真っ赤だった頃のことを話す。引き換えに、影の消し方を教わる。「紙切れはひらひらと弧を描いてゆっくりと地面に落下していく」祈るように名を呼ぶ。その特別な響きに何度でもほっとする。