初診で断言。「ご主人、この人には薬も治療も必要ないどころかそんなものは逆効果です。この人は閉じ込めてはいけない。問題があるとしたら、あなたの狭い考え方です。この人を解放すればすべて解決します」そして私に向かって「あなたはどんどん活動しなさい。幅広く貪欲におやりなさい。もっといい加減になるとなおよろしい」次の病院で見た画像。とても小さな丸。それから実家に連行される。脳梗塞の母は饒舌だ。「あなた今どんな本読んでるの?」「佐々淳行の『連合赤軍あさま山荘」事件』とか大岡昇平の『ながい旅』とか。お母さんは?」「『大菩薩峠』を読み返しているところ。今は図書館に行って2時間過ごすのが日課なの。いい散歩になるし映画の上映もあるのよ。こないだは『嵐が丘』を観たの」