その人物は酒井素樹氏の替え歌に殊更思い入れがあるらしく飽かずに繰り返し流している。音に免疫のないこちらにはいい迷惑ですっかり諳じてしまった。経営する印刷会社を倒しホームレスとなった現状を踊りと歌で披露する技量(酒井氏曰く「人生の切り売り」)は今も某所で発揮されているそうだ。

「幸せでございますねえ」 「欲を出すなと教わってまいりましたから。その通りにしているのですがね」 「よく笑ってらっしゃる方はおられますね。はい、嘲笑です。たいていはご自身が空っぽの方です。優越感に浸れるからでございましょうね」 「人の心の中が透けて見えるのが、お金がなくなってからの楽しみでございますね」 「基本はご要望に応える。喜んでいただく。快感でございますね。みんなが喜んでくれている。平和でございますね」 (「酒井素樹の人生論」より)