焦点

グランドピアノの下からよたよた踏み出す。その脇を颯爽と駆け抜ける東方力丸氏。記号の解釈の表出は、何と相対させるかで全く別の物となる。善悪の判断もまた。一枚のガラスによって展開する反射と透過の景色。目を凝らせど焦点はずれ続ける。砂だらけの悲痛は格好の題材で、打ち鳴らす手が実に合理的に天と地を切り替える。白米の上の透明と白、Wしらす丼。そういえば、何ひとつ残さなかったミケランジェリを持ち出した氏は何ひとつ残さなかった。