不知

留守が続きひと月遅れて入手した戸村浩氏のパンフレットから。
「未知とは決定的な存在であり、不知は我々の認識の血の騒ぎのためにある。不知は知るために存在するのではなく、既知の反語として存在するものでもない。未知はそれを認識することにより既知になりえることがある。しかし不知はその姿を見たとしても、いまだ不知である。それが不知なのだ。」
仮の住まいで思う存分画材を広げ窓から山脈を眺め転送されてきた手紙を読み土筆の袴を取り何かが足りない血の騒ぐ何かとごねてた人を噂する。近場に古本屋がほしい。たとえフランク・ザッパがエンドレスで流れていても。
「それを識別するには、人間のもつあらゆるもののなかで、恐怖の念しかありえない。恐怖せよ。そして不知なる門の戸をたたけ。」