ぬるま湯

席に満ちた人々がまなざす先には黄緑色の奏者がいる。黄緑色の奏者を見ている自分もまた席に満ちた人々である。ぬるま湯を飲んだくれてはひっくり返る。目の前の人が言うには、その人の目の前の人はものすごい悪人なのだそうだ。黒椅子が使用中止中のルネッサンスを独占。「よくききますのでひかえめに」(小豆島名産蔵造り生搾醤油の注意書きより) 湯を沸かすには強すぎる炎と牛乳石鹸の牛、それから、塔に折ったチョコレートの包み紙を、この先一生探し続けるだろう。