たんぽぽ

たんぽぽをたんぽぽとして意識できるうちに確認したくともたんぽぽはもうすでにたんぽぽではないのかもしれない。それでもたんぽぽがたんぽぽのままでいるような気がしてならない。あの席、ペソアっぽいね、と、奥のほう、光あたらぬ場所を指し坐りたがっていた。何度も浸出を試みてはさらに浸入していた。