仮説

「人間の欲望が満足の限度を知らないのは、恐怖からの逃走だからである。恐怖から必死に逃走している者には、これで充分だとか、このあたりでやめておこうというゆとりはない。」


サンドイッチはきゅうりに限る。11年前のコタツについてうかがい、ある人物についての仮説をたてる。(ある人物は、己の内部で生成の止まない毒を、他者に配布することで、心身を保ってきた。あることをきっかけとして、その毒を自身で全て請け負うも、耐えきれず自滅した。長年に渡り多数の人に次々と振舞われてきた暴挙は、おそらく本人の意思とは別の、自己保存本能か何かによるものと思われる。)


「際限のない欲望に囚われ、かり立てられている状態から脱出する道はひとつしかない。それは、われわれが、われわれの自己が幻想であることを知ることである。そして、死を直視してその恐怖に耐えることである。それは不可能かも知れない。」