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われわれは十世紀にわたって、われわれを導く人びとに対して深々とお辞儀をする柔軟な態度をとってきた。・・・われわれは主人を持ち、彼らの移り気に譲歩し、それを喝采する習慣にすっかり慣れている。そうだからと言って、・・・彼らの前でこっそり笑うことが妨げられるわけではない。いやそんな場合にこそ、畳に額をすりつけ、塵埃に鼻をつっこむのが極めて便利なのである。・・・われわれは苦悩するがゆえに微笑する。・・・それは、運命に対するわれわれの礼儀の表し方なのである。・・・われわれは自分たちが変わりやすく、とらえがたく、さまざまであることを知っている。しかしながら、われわれが変化を通じて自己流の流儀で追求するものは、持続なのだ。(ロベール・ギラン「日本人と戦争」より)