ツァラ

築野友衣子氏によるトリスタン・ツァラの研究発表を聞く。一瞬の生であるダダがダダダ、、、と増殖する菌のように感染する様が存分に伝わってきた。大平具彦氏曰わく、ツァラにとりつかれている築野氏。ツァラとの出会いは美大予備校時代とのこと。評価されやすい作品にするための傾向と対策ばかり述べる講師たちや現状に違和を感じ、抵抗を企てる者にとって、ロジック(創造不能者たちのダンス)を否定し、作家の真の必要が創造の鍵となることを宣言したツァラとの出会いは必然とも言える。この日、「思いつきですが、」と発表された築野氏の仮説(ツァラ旧約聖書との関連)。実証された暁には、文学史と美術史に与える影響は小さくないであろう。