浮力

底なしの穴に対する躊躇を持ち合わせていない。よって浮力をつける。日差しのまぶしい午後、世田谷線を往復してフェルドマンにたどり着く。ブランコの軋む音が響くような不安とともにある心地よさ。「我々に必要なのは、強く、真っ直ぐで、明確で永遠に理解されない作品である」 山根孝司氏(クラリネット)によるシャリーノの“Let me die before I wake”を聞く。長い長い息音、タンギングハーモニクスに、山内桂氏(サックス)の演奏を連想し、さらに鮭(魚)を連想する。(坂本宰氏の投影により会場が水浸しとなったライブ、そのイメージは釣り好きの山内氏にちなんで鮭だった) そういえば、カラメルソースの提案は宙吊りのままである。