白く透き通るような作品をしきりに、いいねえと言っていた。「お父様はどんな作品を制作しているのですか」「最近は深刻なものばかり。機密漏洩事件を扱った作品や、ミャンマーが舞台の作品を13年かけてつくったり」「声が大きくてね。大勢を巻き込むし。周りは大変よ。その点、絵は平和ね。ひとりで制作できて誰にも迷惑かけないもの。でも私は父に似てしまった」初めて展示をしたギャラリーの、すぐ上の階が「(有)血の絆制作委員会」だったことを思い出す。