2011-01-01から1年間の記事一覧

午前。数年ぶりの声が携帯に届く。身を引き千切り放り投げ一生分慟哭していた頃、その人は意に反する役割に呑まれ体中に針を逆立て全方位に飛ばしていた。「のんきでいいねえ」とつくづく言われたものだ。正午。蕾が色とりどりに開いたような晴れやかな報せ…

午前。「グロリア」のような先輩と企業をまわる。午後。牧場へ。夜。中学生から出題を受け続ける。運動をするとなぜ心拍数があがるのか。血液の酸素量が最も多いのは体のどの部位か。白血球の働きは。赤血球の寿命は。心臓の右と左ではどちらの筋肉が厚いか…

迷路に近付いた途端、着信音が鳴る。発信元はヨーコオノではなく到着した友人からであった。その後響き渡った爆発音は館内を行進する鼓笛隊であった。横浜の倉庫でクリスチャン・マークレーの映像「the clock」に没頭し、渋谷で荷物を置き忘れ探し出し力尽き…

午前。両手取 呼吸投、四方投、入身投。6の剣。 午後。セシオン杉並で読谷山こずえさんの歌。ベルカントで沖縄民謡「滝落とし」「とぅばらま」「だんじゅかりゆし」(笛奏者金城利信さんの繊細で透明で強い光を発するものすごい声との共演)。赤いドレスの堂…

昼。細腕の女性が30年近く切盛りしている店へ。トラック行き交う国道の傍を、日傘を差した先輩とてくてく向かう。ラーメンというものを数年振りに食しつつあれこれ話していると、B型でしょ、と確信を持って言われる。喜ぶべきか嘆くべきか。

白かと思って咲いたら紫だった時計草ほか数十種類が満ちる庭についてうかがう。そういう方は生まれながらに緑の指を持っている。私はといえば枇杷もサボテンも枯らしてしまう。植えると増える小さな蕾をいただきジャケットのポケットにそっと入れる。昏々と…

横浜で試験。渋谷で打合せ。新宿で徘徊。午前2時の散歩。至る所で人が倒れている某街の、急な階段を上がっては降り上がっては降りる。カウンターの本の山から御厨氏の著書を抜き出し、ノスタルジアについて訊く。朝。小学生以来の席替え。椅子と机をどどど…

連日仕事で多忙な70近い女性。以前の職場が倒産したのでしばらく家でのんびりしていたら体のあちこちが悪くなり病院通いを続けたが変わらず、仕方がないので別の仕事を始めたところ途端に完治したそうだ。70半ばの同僚は毎日自転車で30分かけて通いばりばり…

逆半身片手取 一教、二教、返し技三教、入身投(四種)。杖の合せ(右流れ返し突き)。 5時半からの畑作業を30年以上続けている、大企業にお勤めの女性。自分の食べたいものを食べたくて始めたそうだ。無農薬で新鮮な季節毎の野菜を好きなだけ食べているせい…

それぞれが何かに集中している広い場所で試験準備。落雷、風災、破裂・爆発、物体の落下・飛来・衝突・倒壊といった場面を頭に叩き込みつつテキストを蛍光色で染める。 ブガッティヴェイロン(431.07km/h) 1.8億円 カタログが届き唸る。廣岡氏はやはりすごい…

バイクで全国をまわっていた60年前の話をうれしそうにしている。「この人は昔の自慢ばかりしてるのよ」と奥様が笑う。バイクの模型、行く先々で入手した独楽、子と孫と曾孫の写真が並ぶ。 体を床に横たえ口をつぐみ天井をじっと眺めている。一緒に天井を眺め…

第一楽章「まじめに荘厳に」始まる。「5分間休憩」(椅子に座って一息つく)第二楽章「急がずに 静かに流れるように」。第三楽章「きわめて荘重に、しかし素朴に」。第四楽章「スケルツォのテンポで、荒野を進むように」終わる。鳴りやまない拍手。右斜め後…

両手取 二教。突き 入身投(肩落し)。横面打 呼吸法。 諸先輩方と湯のみ片手に、秋の野点や自由研究や理想像について。旦那様の話を振った途端、キラキラと目が輝き出した四段を囃す。 服を20着ほど抱えホームから空を眺めていると、バチカンに行きたがっ…

分刻みの上司と訪問したお宅。開かれたドアから亜麻仁油が漂う。通された奥の間には、そこで生まれ馴染み一体化した絵画があふれる。そこにあるためにあり、なくてはならないという最小限かつ最大限の在り方に目を見張る。

「肝心なのは見ることだ。状況をじっと眺める。それだけでいい。」同じ釜の飯仲間と前倒しの打ち上げ。環境も目的も違う接点ほぼ皆無の11人に突如課された数ヵ月を振り返り笑い転げる。「わかろうと思うな。ただ見る。さらに見る。」

小雨の休日。午前。逆半身片手取り 一教、二教、呼吸投げ。6、8の杖合せ。九十九島のせんぺいをいただく。午後。ギャラリー・スペース23℃で本村誠個展「ドキュメント」。練りに練られた軽妙をまとった丹精な作品と、溢れる瑞々しい緑を窓外にテーブルを囲む…

予言通りになって以来占いの類を避けている。何もかも見通せる平坦な道を一瞬で過ぎるより霧中の険しい道を右往左往しながら踏みしめたい。研修でいたしかたなく都道府県占い。結果は小笠原諸島。

雨上がり突撃開始。鮨屋二代目に挨拶中再び豪雨で足止め。カウンターでふわりとした握りをいただきながら四方山話でゆったり過ごす。障子を開くと澄んだ小川と薔薇の木。流れをぴょこぴょこ果敢に横断する小さき者たちを見送る。帰ると牛乳太郎の案内(こっ…

トランポリンで跳んでは鍵盤を弾きソプラノで歌い踊り語り続ける姪と共に跳び弾き歌い踊り語る。会社に勤めながら時々変身する友人の画像を戦隊物に目がない同僚におすそわけし屋根に上り月を眺める。ダンスのお誘いに惹かれつつ、後両手取 呼吸投げ、小手返…

机四つで事務処理しつつガソリン補給。「ほんのちょっとしか食べない」という冠を「年収3億」にするには。とりあえず前のめりで走り転倒したらくるくる転がって進む。駆けつけた十分間で、杖の合せ(8本)。ありがたきひととき。

A.シュニトケ「オレグ・カガン追悼のマドリガル」を、J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲全曲とともに(浜離宮朝日ホ−ル・上森祥平)。温野菜はブロッコリと人参を用意してございます、冷野菜のトマトは特に小さいので5つほどお乗せしましょう、ドレッシングは4種…

準備中の店で眼鏡を誂え、昔見たままの景色、言葉、空気の中で火を運び「人々」を迎える。漂う「人々」と、ガリガリ君ソーダ味をがりがりかじる。壮年を越えた悪童たちが「当り」に大はしゃぎしている。両手取 二教、天地投、半身半立四方投。剣の基本(突き…

「あまりに幸福すぎるときには」朝。夢のような夢から目覚める。「絶対的に違う他者にするべき距離をいそいで構成するのだ」いるだけで思うだけで満ちる戸惑うほどの多幸を太陽のせいにして耐える。午後。友人宅。和みあふれるまばゆい新居。早朝太極拳に励…

横面打 入身投、四方投、十字がらみ投。剣の合せ(6の剣)。ちいさな梨を転がしたり、立腹止まぬ方を笑わせたり、シュレッダを詰まらせたり、揃ってバツ一だったり、宣材にはしゃいだり、ザッパマニアと聞いて大いに納得したり、大線香花火大会をたくらんだ…

未知の土地で前方からものすごい笑顔で手を振られ「○○さん久しぶりねお元気?」と聞かれる。「はい大変元気ですがこれこれこういうわけで本日初めてこちらにうかがいました片岡と申します残念ながら○○さんでないのですが以後お見知りおきを」と慌てて挨拶す…

浴衣の人込みをかき分け重い鞄を抱えたままカキ氷にはしゃぐスーツ姿のふたり。レモンに練乳、青林檎バーモント。よい夏期休暇を!とぶんぶん手を振ったはずが今日も明日も明後日も仕事。分刻みで詰まった日程をハイテンション猛スピードで隙なく涼しくこな…

朝。立派な鯉の主に声をかける。この9匹の鯉と鮒は10年目で、という話から鮎について(苔による成長差や産卵前後の色の変化)や、60年前のこの辺りの様子(仕官舎だらけで住宅はわずかだった)や、ご自身の半生(16で予科練に入り海軍の電波観測特殊任務要員…

明け方から午後にかけて仕事。夕方展示行脚。南天子で常設展。檜B・Cで関谷歩展。Gallerykで稲垣真幸展。巷房階段下で周豪展。巷房地下で林裕子展。巷房で中村一仁展。なつかで堀藍展。「○さんはお元気ですか」「うん、ぶいぶい言ってるよ」「相変わらずです…

片手両手取の入身投と呼吸法と四方投。突三教。剣の合わせ。三日月を目印に夕顔ほころぶ道を行く。切れ切れの送球で笑う母子。両足を骨折した方からの労いに恐縮。電車到着までホ−ムから居合いを見学。光る刀。工場を通過する瞬間車内に珈琲の香りが満ち、消…

ジャヤバルマン7世を模したチョコをいただく。緊急時毎度世話になっていた人にぺこりと近況報告。とても喜ばれる。ひどく緊張した青い顔で「たとえば僕が死んだらそっと忘れてほしい」と絶叫する曲を繰り返し聴いていた人の幸を祈ったり、塞ぎこんだ私に次々…