2011-01-01から1年間の記事一覧

コロッケサンドに向けて乗り切る午前。たった今売り切れたと告げられる午後。20代だと思っていた人に20代の子どもがいた。探し物を探す作家さんとコーヒー。放浪から戻った舞踏家さんと紅茶。ぎゅうぎゅうの座敷で寄せ書き。ふざけている人から真摯なア…

見よう見まねで繰り返し繰り返す。忘れては思い出す。ひたすら歩き廻る。こつこつとストリアツムを育てる。焦ると転ぶ。「素敵な作品です。ぜひお越しください」行かねばと思う。

バスに乗るたびに寝入ってしまう。「○○に行かれるお客様、そろそろ着きますよ」と呼ばれ、目が覚める。慌てて着いた席。隣の深い赤、銀の髪の麗人と共に「あめふりくまのこ」を歌う。一家全員B型のお宅にうかがい日常話に驚き続ける。どうしたら強くなれるか…

片手両手取呼吸法。突小手返し。胸取三教。満塁逆転さよならに沸く中華屋で秋刀魚の刺身と塩焼きをつつきつつ入口の見つけにくい灰色建築がこの地に急増している理由や離婚の経緯や白菜育成について。CMに出ていた方に面白がられる。曇天の光が届く無音の部…

独自の確信に基づいた言動には微塵の躊躇も外聞もない。猛烈な咀嚼力で毒も皿も骨も一緒くたに飲み込む。安心とは無縁のその人が突如、生命保険に入ると言い出した。受取人は配偶者か三親等内だからと、手を引かれ役所に行った。止めたところで聞く耳などな…

「父ちゃん母ちゃんよろこべ」腕を折られそうになったり頚動脈を圧迫されたりしながら蹴りで反撃してははしゃぐ。露天風呂の後つられて飲んだフルーツ牛乳には、オレンジと林檎と洋梨とレモンとパインとバナナが入っている。「意地になって長生きするさ」(Th…

なんだかすごそうな人だと思って思わず声をかけたらやはりすごい人だった。バスを待つ間に墨色の888。修理から戻っては壊れる通信機。うふふと笑う人が、犬神家的ねと指摘されている。未知の地で吸い込まれるように入った店。二度目の今日「いつものでい…

横殴りの風を待ちながら顔に水色とピンクを塗りたくる。Gallery LE DECO3で「はじめて展」(東急ハンズ写真部によるグループ展)。Gallery DENで松岡亮「DEDICATED TO ANALOG TELEVISION」。シネマボカン(BAR GARIGARI)の上映会「映画監督梶村稔」を見逃し…

薔薇香る洋館でサン・トワ・マミーを力いっぱい大勢で。築70年のカフェで最初で最後のデザートを賞味。次々に豆をかがせてくれる店主。ロバート・プラントを最前列で体感した70代のご婦人。「月がとっても青いから遠回りして帰ろう」どこもかしこも光が溢れ…

電話に出ると聴こえてきた、職務質問の実況。ポケットの中身を全て出している。何に使うのか、どこへ行くのか、と問われ、やるべきことがあるのだと答えている。諭されて、名前と住所と生年月日を記す。解放され、歩き出す。相変わらずだなあと電話を切る。

「手強い」という評をそのまま伝えたところ「楽勝」と解される。少しずつ影が消え倒れる。昏々と眠る。その人が何をしてもしなくても、圧倒される。気配が像よりもはるかに強い。発する光がそこかしこに刻まれ点滅している。そのまぶしさにはしゃぐ。常にう…

大きな机が階段を降りてゆく。大根を持って踊る人々とすれ違う。かつての色を問われ、部屋も服も七色で髪の毛は真っ赤だった頃のことを話す。引き換えに、影の消し方を教わる。「紙切れはひらひらと弧を描いてゆっくりと地面に落下していく」祈るように名を…

多くの方が見ず知らずの私にいろいろな事を話してくださる。仕事や趣味やご家族や友人について。心配事や体調のことや今後の予定や昔の思い出など。それをうかがっては別れる。再会できたときには、声をかけ、続きを聞く。毎日道端聴取。

収穫したばかりの茄子とピーマンと小松菜を袋いっぱいいただく。その袋を抱えて、オウムを肩に乗せた方と道を往く。名はさっちゃん。「コンニチハ」「バイバーイ」と送られて、風車制作中のお宅にうかがう。−60℃の冷凍庫と、転がる最後の冬瓜。切り揃えられ…

「ほとんどの人は、そういう感情を持てる相手と出会わないですむのだと思います」朝。涙腺を制しつつ研修へ。開発者の舌鋒鋭い機密話に湧く会場。キーワードは「おばかさん」。夜。東京文化会館でリヒャルト・シュトラウス「ナクソス島のアリアドネ」(演出 …

紙を折ったり裁断したり。行く先々で半生をうかがっている。簡単な手続きをしに窓口へ走る。90度よりさらに深いお辞儀で送られる。その方の坊主頭と拳だこを目に焼き付ける。正面打四方投げ。突き小手返し。杖、片手・八双・流れの部。質の伴った量が要る…

〆切直前に振り返る目標地点。褒美に陶土をこねる。お隣は牙を付けては取っている。「マカロンとエクレアでマカレア」という張り紙から、数年前に訪ねた蕎麦屋が蘇る。二代目によるエンドレスのマカレナで日本酒と板わさ。

予定覆り終日仕事。よろよろとカウンターに着くと、友人がチャーチルを熱く語り出す。隣の男女は立花隆氏情報で盛り上がっている。虎ノ門の豆大福を歩きながら。白い粉を手ぬぐいではたかれつつ熱いお茶。ロマンスカーで家路へ。明日も仕事。

夜。777のお守りと銀の延べ棒をお渡しし、アンコールワットへ。珍しく空いていると思ったら撮影中の表示。昼。納屋のアトリエの記憶を聞きながら百発百中の先輩と、いちじくとマスカルポーネのサンドイッチ。工事中のビル3階でくつろぎ、ラッパ響く道で…

表情がほとんど変わらない。しぐさに無駄がなく、淡々と発する言葉は奥床しい。波紋のように広がり続ける満ちた背中はとても静かで鋭く、温かい。

貸し出した書物に添えられた翡翠色の鳥と青汁。手作りのブランコがあるお庭には「増え過ぎて収拾がつかない」という鯉が勢いよく泳いでいる。「猛犬に注意」という警告がいくつも張ってある硝子会社で、静かで人懐こい犬に迎えられる。電気もガスも水もベッ…

「名を尋ねることなかれ」という誓いを破ったばかりに、せっせと築き上げた理想の生活が崩れ去る。リヒャルト・ワーグナー「ローエングリン」をNHKホールにて(バイエルン国立歌劇場 日本公演/指揮 ケント・ナガノ/演出 リチャード・ジョーンズ)。弟殺し…

白く透き通るような作品をしきりに、いいねえと言っていた。「お父様はどんな作品を制作しているのですか」「最近は深刻なものばかり。機密漏洩事件を扱った作品や、ミャンマーが舞台の作品を13年かけてつくったり」「声が大きくてね。大勢を巻き込むし。…

いつも電車で描いているスケッチを見せてもらう。SUNNYの共時に驚く。「車より電車です、電車で人の顔を見ています、見飽きません」と黒い帽子の方が言う。「書けなくなりましてね、原稿に向かいますが一字も書けません、それまではいくらでも書けたのに。人…

穏やかな日。合格証でひとまず安心。試験は続く。パズル研究所に再訪。次々に差し出されるパズルに熱中する先輩。仕事中ですよと笑い、ガチャガチャを再び。 台風直撃。タフネスと称されているアグネスチャンさんによるがんの体験談。大変な思いをされながら…

「状況に耐えたり、恐怖を押し込めている間、人は誰でも、自然に黒を必要とする。黒は、擬似的に自分を消し、身を守る鎧となる。自分の決断による具体的な行動で状況を変えられる時、黒は役割を失う。」長らく心身を黒一色で塗りこめていた人が、今や全身ピ…

朝。お茶当番。突然のバトルを見届け、自転車と併走する。昼。パンとマッシュルームのスープをお笑いが必需の先輩と。陽が照り雨が降り風が吹いている。晩。次々に上がる花火を眺めながら坂を上る。 午前。降って湧いた休み。うきうきと慌てて道場へ。逆半身…

午前。赤い顔した緑の剥製が迎える広い玄関で打合せ。午後。雪崩れる書類に埋もれる。夕方。横浜馬車道宇徳ビル4階で南條敏之展。頑ななまでに一貫した多彩。デスクを囲み、子と遊ぶ。日仏会館「エリック・サティの創作と思想(1)」で大井浩明氏のピアノと…

痛めた足を引き摺るうちに、願う前から叶っていたことに気付く。判明した謎をかみしめ、痕跡を尊ぶ。後片手首絞 二教。後両肘取 合気落とし。杖の合せ(8本)。