2010-01-01から1年間の記事一覧

メモ(『多和圭三展』より)

「私は創造といえるような新しいものを作り出すことは何もしていません。何もしていない状態に戻していると言ったほうが当たっている。最近までの仕事は、自分の中に入ってしまっていることを、どんどん削り落としていくという仕方をしてきた。そして、もの…

「座間市立図書館入口硝子陳列箱に於ける展示」が

始まりました。 座間市立図書館(小田急小田原線座間駅より北東に徒歩20分ほど) 神奈川県座間市入谷3-5873 /TEL 046(255)1211 火・水・木・金 9時〜19時/土・日・祝日 9時〜17時/月休

体験

地を劃して牢を為す底、甚に因ってか、者个を透り過ぎざる (一休宗純『狂雲集』柳田聖山訳より)

メモ(『夜と霧』より)

・・・生きていてもなにもならないと考え、・・・がんばり抜く意味も見失った人・・・そのような人びとはよりどころを一切失って、あっという間に崩れていった。あらゆる励ましを拒み、慰めを拒絶するとき、彼らが口にするのはきまってこんな言葉だ。 「生き…

メモ(『エチカ』第三部より)

第三部 感情の起源及び本性について 序言 感情並びに人間の生活法について記述した大抵の人々は、共通な自然の法則物について論じているのではなくて、自然の外にある物について論じているように見える。・・・彼らは、人間の無能力及び無常の原因を、共通な…

メモ(『エチカ』第四部より)

第四部 人間の隷属或は感情の力について 序言感情を統御し・抑制する上の人間の無能力を私は隷属と呼ぶ。何故なら、感情に支配される人間は自己の権利の下にはなくて運命の権利の下にあり、自らより善きものを見ながらより悪しきものに従うように度々強制さ…

メモ(『エチカ』第五部より)

第五部 知性の能力或は人間の自由について 定理三 受働なる感情は、我々がそれについて明瞭判然たる観念を形成するや否や受働たることを止める。 証明 受働なる感情は混乱せる観念である。故にもし我々がその感情について明瞭判然たる観念を形成するならば、…

メモ(小林美佳さんインタビューより)

「・・・隠すことや我慢することを美徳とする社会の規範が、被害者の葛藤を招くのかもしれません。・・・被害者のそうした心理を見越して、犯罪を繰り返す加害者もいます」 「本当のことを話せるまで何か月もかかったのは、自分の身に起きたことを認めたくな…

尾てい骨の少し上にあるほとんど消えかかった縫跡を示し、もう使うことはないが捨てることのできないコルセットを部屋の隅からひっぱり出して、すさまじい痛みに関する描写と、尽きない身の上話が続く。それを頷き促し眠る。「やってきて、そして過ぎ去った」

「ぜにのないやつぁ 俺んとこへこい 俺もないけど 心配すんな みろよ 青い空 白い雲 そのうちなんとか なるだろう」(ハナ肇とクレイジーキャッツ「黙って俺について来い」より)

「第一次大戦後、私はパリで、あるときは写真屋の修正職人として、またあるときは、“中国骨董品”の絵かきとして生計を立てた。」(ホー・チ・ミン『私をレーニン主義に導いた途』より)

治外法権区域に立ち入る列に加わり検問を通過。区域内では方々に煙があがり、それぞれに行列ができている。抜け出して谷に向かい、隠された通路の先にある昇降機で上がる。ゆっくりと着地しさらなる行列に従う。たくさんの何かが並ぶ会場で、耳にするとうな…

[ 「それとも、誰もがわたしのあやまちに気づくのではないかと恐れ、安全をはかり、大目に見てもらえる範囲内に踏みとどまるべきだろうか。」(ホラーティウス『詩論』岡道男訳より)

節目

ガリラヤ湖。

喝采

唯一所持する時計は常にきっかり1時間狂う。お日柄佳き日曜もそこはたがわず。倉皇と降りた駅は別の駅。駆け込んだ宴はすでに佳境。並ぶは見覚えなき主役。会場を間違えた。兎にも間に合い、ヘプバーン演じた王女のような新婦と、最適化・合理性を掲げる新郎を…

赤いコートを着たあなたがひとり田んぼで仕事をしていた。そういう夢を見たと私を産んでくれた人が言う。そして、あなたには世話になったと繰り返す。辛うじて生きています、何しろ頑丈ですからと伝える。君を殺す夢を繰り返し見るとある人に言われる。望む…

市街に行く電車。向かいの席では母子が協力してショットガンを組み立てている。はたち前後の人が散弾銃を携えて食事や散歩をしている光景には慣れた。覚えたてのイスラエル民謡を口ずさむと、パレスチナ人のMさんが一緒に歌う。シュクラン(アラビア語で「ありがとう」)、レヒトラオト(…

かの国

人口740万人。南北に細長い国土の6割が岩地の荒野だが、高度な生産性により食糧自給率は90%。少しの水で植物が育つ肥沃な地質で、花の原種が豊富。地下資源は皆無。外貨獲得方法は、1.観光業、2.ダイヤモンド研磨、3.軍事産業、4.ハイテク産業。

現在声が出ないのは喉を酷使したからで、これは、伝わらないということを伝えるには最適の方法です。

空っぽ

波打つ坂の間にある空っぽの部屋の窓は、まれびとの来る方角に向かっていて、夕刻はたいてい山間に陽が沈む。ところで空っぽは大変頑丈で壊れない。

突破

突破するには、循環に取り込まれる媒介者となること。

誘い

前回はポーランド。唐突で間違いのないお誘い。今回はイスラエル。

足跡

快晴。山で年を越え、麓の店で坊主にし、砂浜を歩き続けた人の、2年前の足跡を辿る。